ジルコニアは、強度こそ金属に勝るとも劣らないぐらい強いのですが、欠点はあくまで透明感が無い事であり、特に前歯の審美領域ではジルコニア単体(フルジルコニア)のみでは使いにくいのが実情でした。
しかし、従来のメタルセラミックのメタル部分である補強部として使うには、非常に使いやすい材料です。
よって、ジルコニアをフレームとして使い、その上にツヤや透明感を出す為に、審美セラミックを使って塗り上げた物が、「審美ジルコニア」として定評があります。
ただ、審美セラミックを盛る分、歯の厚みが増える為、前歯に使うと、少々出っ歯のような感じになってしまいます。
ですので、その分、土台となる自歯を大きく削らなくてはならず、症例によっては事前に神経を抜かざるを得ない場合も出てきます。
神経を抜くと、その時はいいのですが、抜いた後、10年20年すると、少なからずその歯は強度的に弱くなり、歯が割れるリスクが高まります。
ちなみ神経の無い歯が割れると、最悪の場合、セラミックごと歯を抜くという結果にもなり得ます。